トルコでクーデター 一難去って、また一難

7月15日に発生したトルコでのクーデーターにより、順調に円安に推移していた為替は、またもや、安全資産の円買い。

トルコ リラは暴落、ドル円は一挙に105円を割り込み、104.83円。全通貨で円高になりました。ただ、クーデターは市民により鎮圧され、失敗に終わりましたので、月曜からの為替相場が、どのような反応をするのか、見極めが必要です。

 世界各地で発生しているテロも、根本的解決策は無く、海外に拠点を置く日本企業も、非常に難しい対応に迫られています。参院選が終わり、アベノミクスで再出発というところに、冷や水を浴びせられた格好です。今後の注目としては、7月28,29日開催の政策決定会合です。追加緩和期待で、やや円安基調ではあると思いますが、日銀の緩和が無い、もしくは中途半端な内容で終わるなら、一気に円高に戻る事も十分考えられます。

 黒田総裁としては、残りのカードはほとんど残っていないため、このタイミングではなく、FOMCの利上げに合わせて、追加緩和したいところだと思います。日銀単独で金融緩和した、今年2月のマイナス金利がその失敗例です。瞬間円安になったあと、大幅な円高で市場は反応しました。この事を踏まえると、今月の日銀単独の金融緩和は見送りし、秋ごろに行われる、政府の緊急財政出動とFOMCの米金利利上げ(あるか?)と日銀の金融緩和という三本の矢で、いっきに円安、株高に持っていく、というシナリオと思われます。(私が黒田さんならそうします。)日銀が7月に追加緩和しない場合と、追加緩和した場合の市場の反応は大差無く、追加緩和しても、イベント終了で、その後はやや円高に戻ると考えられます。よほど想定外のバズーカが発射されれば別ですが、マイナス金利まで実施した後に、残された施策はあるでしょうか?