良いFPとは?

 最近相談をしていて感じたこと。

「一口にFPといってもピンからキリまでだな」という事です。

 

日本中に18万人ものFPがいるのですから、中にはとんでもないFPもいるようです。

 

 相談者の皆様にとって、本当に良いFPとはどんなFPなのか、逆に良くないFPとはどんなFPでしょうか?

 

 もし、自分がFPに相談するとしたらどんなFPに相談したいかを考えてみました。

 相談をする前に、そのFPの経験や最近の活動を確認してみましょう。


必要条件

・お客様の利益最優先

 お客様の利益を最優先で考えるというのは、FPとして最低限の条件です。

 

 金融業者、保険会社、不動産会社の社員や、それらの企業から手数料収入を得ているFPは、どうしてもその企業の商品を強く勧める傾向があります。もちろん、相談者にとって最高の商品であれば良いのですが、ともするとお客様の収益を減らしてでも、FPの手数料が入る商品を勧める傾向があります。これを利益相反と言います。

 

 そのFPがだれから収入を得ているかを考えれば、わかっていただけると思います。

企業に属さないFPはお客様から相談料を頂いていますので、お客様の利益を最優先に考えます。そこに相談料を払うだけの価値があります。

 

 そのFPがお客様の利益を最優先で考えているのか、自分の利益のために勧めているのかを見極めることが難しい場合は、やはり特定の企業に紐づいていないFPが安心でしょう。

 

・FP活動を三年以上継続している

 石の上にも三年と言いますが、やはり最低三年はFPとして実務を経験している事が必要と思います。

 

 自分自身の経験から、経験の少ないFPは一般的に知識や経験が少ないため、適切なライフプランの提案ができない可能性があります。その意味ではCFP®資格を取得しているFPは、少なくとも試験に合格し、実務経験が三年以上必要となっていますので、最低条件はクリアしていると言えます。

 

 また今まで、どれだけFPとして活動していたかもホームページ等で確認しましょう。一生懸命FPとしてセミナー講師や個別相談を継続していることが重要です。

 

・法令遵守

 FPは個人情報の保護はもちろん、税法や民法などの法律を遵守することが求められます。

 

FPとしてお客様の利益は最優先ですが、法律に則りお客様の利益を守ることが重要です。

 


十分条件

・公的機関の仕事をしている

 県、市、区などの公的機関のセミナー講師や相談を行っているFPは、安心して相談できるFPと言えます。公的機関は実績があり信頼できるFPに仕事を依頼する傾向があります。

 

 また、日本FP協会に関連した仕事をしているFPも安心できると言えます。

日本FP協会はFPの団体ですので、多くのFPから信頼されているFPに仕事を依頼します。その意味で日本FP協会(支部も含め)の講師や相談員を担当しているFPは、安心して相談しても良いと思います。

・多くの顧客がいる

 実際にどれくらいの顧客がいるのかは、そのFPに聞かないとわかりませんが、多くの顧客がいるということは、それだけFPとして信頼されている証拠でもあります。

 

 多くの相談を手掛けることで、FPとしての知識や経験が増えます。結果としてより良い問題解決の提案ができるようになります。

 

・ライフプランの視点で提案する

 お客様の相談は、ピンポイントでの相談が多いのですが、その背景やその後の人生設計も踏まえた上での解決策が重要です。お客様がまだ気が付いていない問題が隠れている場合も多々あります。

 FPは目先の問題だけでなく、長い人生の長期にわたるライフプランを作成することが重要です。問題を点で無く線で考えるFPが良いFPと言えます。

 

 その人のライフプランの中で生命保険や自宅の購入など、その必要性や内容を的確に提案できるFPが良いFPと言えます。

 

 

・新しい制度や税制に詳しい

 最近はNISAや確定拠出年金などの新しい制度がどんどん出来てきています。また、毎年税制改正が行われ、様々な税額控除や所得控除のルール変更が行われます。年金制度についても多くの改正が行われています。

 

 FPとしてこれらの最新の知識が無いと、適切なライフプラン診断を行うことができません。

そのFPが最新の情報を理解しているかは、そのFPのホームページを確認してみましょう。

 

 勉強しているFPなら、それらの情報について何らかのコメントを書いていると思われます。

 

・自分で実際に資産運用をしている

 資産運用の相談をする場合、そのFPが自分自身で資産運用をしている方が良いと思います。

 

 FPが資産運用をしている場合、多くの金融知識と情報から最適と考えた結果であり、そのFPがそれなりの運用成果を出しているのであれば、そのFPの知識はある程度信用できると考えられます。

 

 FP自身の運用経験を踏まえてアドバイスするのと、机上の理論(空論)だけでアドバイスするのでは、その結果に大きな違いが出ると思います。

 

・FPの活動内容を情報公開している

 ホームページなどで活動内容を公開しているFPは、その実績や評価を確認することができます。

 

 そこに書かれている文章から、そのFPの考え方や性格なども推測することもできます。FPを選ぶ時の参考になると考えられます。

 

 また、お客様からのコメントや評価を公開している場合は、それらも参考になると思います。

但し、自分に都合の悪い内容は削除されている可能性もありますので、鵜呑みにするのは避けてください。


できればあった方が良い条件

 以下の条件は、複数のFP候補をさらに絞りこむ時の参考にしてください。

必要とは言えませんが、できればその条件に該当する方が良いと考えられます。

 

 

・関連の資格を持っている

 税理士、司法書士、行政書士、その他の、FPと関連する資格を持っているFPは、それらの資格を生かし、より専門的な問題解決ができます。

 

 但し、逆にそれらの専門分野以外の相談については、あまり得意では無い可能性もありますので注意が必要です。また、料金も高めかも知れません。

 

・著書やコラムを書いている

 書籍を出版していたり、著名なサイトにネットの記事を書いていたりする場合、その分野においては十分な知識と経験があると考えられます。

 但し、有名なFPは相談料もそれなりの金額と考えられます。

 

・活動拠点が近い

 良いFPが見つかれば、色々な場面でFPと相談する事になります。住所が近隣であれば直接会うことが容易になります。

 

 遠隔地であっても、メールや電話で相談することはできますが、込み入った話になると直接会って話す方が良い場合もあります。長く付き合うとすれば、活動拠点が近いFPの方が良いでしょう。


だめなFP (付き合わない方が良いFP)

 逆に、このようなFPとは付き合わない方が良いという例です。

・特定企業の商品を勧めるFP(FPの利益最優先)

 特定の企業に偏った商品を勧めるFPは気をつけてください。

また、高額な商品を勧誘するFPも要注意です。

 

投資商品や生命保険など、特定の企業の商品ばかりを勧めるFPは、その会社と紐づいている(斡旋手数料目当ての)可能性が高いと言えます。

 

 また、高額な生命保険や、手数料の高い投資商品を次々と勧めてくるFPも悪質です。もはや、自分の利益のために相談者をカモにしていることは明らかです。

 こんなFPに出会ったら、さっさと縁を切ってください。

 

 本来FPの仕事は、ライフプラン作成を通して、家計の見直しをし不要な支出を減らし、リスクを考慮した資産運用などで収入を増やす事です。

 

・顧客の話を聞かない(FPの勧めを強要する)

 相談者の希望や、悩みを聞かず、一方的にFPの理論を押し付けるFPは失格です。

 

 相談者のライフプランは相談者自身の物であり、問題や解決策も様々です。相談者の話をろくに聞かず、相談者の希望とかけ離れた解決策を提案するFPはダメなFPです。

 

・知識が古い、間違えている

 知らない事わからない事を、適当に答えて済ませてしまうFP。また不勉強で、各種制度の改正を知らなかったり、間違えて解釈しているFPもいます。

 

 相談者にとってはその結果、人生の重要な局面で間違った選択をしてしまう可能性もあります。

 

 FPも神様では無いので、知らない事も多々あります。

知らない事を知らないと回答するのは勇気のいることですが、後で調べて回答しますと素直に回答できるFPの方が信頼できます。

 

 良いFPの所でも書きましたように、そのFPが最新の情報を理解しているかは、FPのホームページを確認してみましょう。勉強しているFPなら、それらの情報について何らかのコメントを書いていると思われます。

 


 以上、

良いFPを見極める基準を、自分自身の反省も踏まえて整理してみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

 FPに相談する前・相談の後に、FPを評価する際の参考になれば幸いです。

 2019/4